国立大学法人はご存知でしょうか?
その名の通り、国立大学やそのほかの研究機関、または一部の専門的な学校のことを指します。
国立大学法人等採用試験に合格し、各大学などに期間訪問をして就職活動をすると内定がもらえるというものです。
そんな国立大学法人、実は既卒にとっての楽園であると言うことはご存知でしょうか?
そう、国立大学法人は既卒の人の方が圧倒的に有利なのです!
転職したい、新卒カード使っちゃった・・・この先人生どうしよう・・・と思っている人にとって新卒絶対主義のいまの日本の就職システムはキビシイものがありますよね。
公務員といえども例外ではなく、新卒と既卒の二人の人がいて、能力的に変わらないとしたら、基本的に新卒が優遇されます。
なかには新卒しかとらない、既卒はほんとうにわずかしかとらないなんてところもあります(財務専門官や経済産業局など)。
しかし、国立大学法人はそんな世間の常識とは打って変わって既卒有利なのです!
むしろ既卒しかとらない、なんてすごいところもありますよ!(名古屋工業大学など)
今日はそんな既卒の楽園である国立大学法人について語っていこうと思います。
国立大学法人とは
国立大学法人は,平成16年4月から法人化し,文部科学省が設置する国の行政機関から,各大学が独立した法人格をもつ「国立大学法人」となりました。国が財政的に責任を持ちながら,自主・自立という大学の特性を活かした運営ができる新しいスタイルです。
学術研究の一層の活性化はもとより,教育機能の強化や学生サービスの改善,あるいは,産学連携や地域貢献活動の充実などについて,それぞれの理念をより良く実現できるよう,自主性・自立性を生かした積極的な運営に取り組んでいます。http://ssj.adm.u-tokyo.ac.jp/organization/about/
法人化する前は主に国家Ⅱ種などから採用されていたんだ。文科省の出先機関という位置づけだったよ。
それから念のため言っておくと国立大学法人の職員は公務員ではなく、みなし公務員だから注意してね。
国家一般職と同じで合格したとしても即内定、というわけではないのね
そうですね、志願者からしたらめんどくさいことこの上ないです(苦笑)
国立大学法人等の特徴
国立大学法人等の特徴として、次の点が挙げられます。
- 厳密には公務員ではなく、みなし公務員。公務員ほど身分保障はないが、給料体系は公務員に準ずる。
- 文系職の場合、主に事務職員として採用。技術職は土木など個別に採用。このあたりは地方公務員などと近いかもしれない。
- 転勤はあまりない。希望すれば文部科学省や他の機関に出向する可能性もある。
- 採用試験の倍率がえげつないことで有名。
- 筆記は教養試験しかなく、その難易度は地方上級やこっぱんに比べると低め。ただし、その分ボーダーは高い傾向にある。
このうち志願者にとって一番興味があるのは4の使用倍率が高い、5ボーダーが高いということではないでしょうか。
たしかに倍率が高いってだけでも難しそう。そのうえボーダーが高いっていうのはちょっと・・・
たしかにそうですよね。でも、なんだかんだでカラクリがあったりするんですよ。
国立大学法人等採用試験のカラクリ
倍率もボーダーも高いと聞いて難しそう・・・と思われる方もいらっしゃると思うのですが実際はそこまで難易度は高くないと思います。
倍率について
倍率が高いのはこの試験がもつ特徴に原因があります。
国立大学法人等採用試験は年度によっても変わりますが大体7月ごろに行われます。
新卒目線で言えば、この時期は民間の採用試験も公務員試験(一次試験)も終わってちょうど日程的に余裕があります。
また既卒(社会人)目線で見ても一般的に7月というのはそこまで忙しくないことが多く、受験しやすいという特徴があります。それに加えて教養試験しかないので比較的気軽に(?)受験することができます。
そんなわけで暇だしなんとなく受けてみるか、という記念受験組も相当数含まれることになります。
ボーダーについて
ボーダーについても7割前後は必要だといわれますが実際はそこまで必要ないです。
(もちろん関東、関西区分で採用を絞った時などは例外です)
私も体感的には6割強程度で合格しています。
ボーダーが高いことを必要以上に恐れている人もいますが記念受験でノー勉で挑んでいる人も数多くいますのでそこまで心配することはありません。そして一次の段階ではあまり受験生を落とすことなく受からせていきます。(これが機関訪問以降の虐殺につながります)
一次試験対策について
国立大学法人は一次の倍率、ボーダーも高いです。
ですが、仮にその高いボーダーを突破したとしても機関訪問で木っ端みじんにされる可能性もあります。
とはいえ、辞退者も多い試験区分なので、実質倍率としては(競争相手の多さとしては)案外高くないといえるかもしれません。
そこで最後にこちらの本を紹介します。
こちらは国立大学法人採用試験について網羅してある、受験生必携の本です。
過去問がまともに載っているのも唯一この参考書だけとなります。
また、機関ごとにどんな面接内容なのかが書かれてあり、これをもとに対策することができます。
国立大学法人を受験する人はぜひ購入してみてください。
機関訪問について
国立大学法人で鬼門となるのは筆記試験ではなくこの機関訪問です。
理由は一次合格者の人数に対して法人側の採用予定人数の少なさです。
とあるブロックでは機関側の採用予定人数が50名強にもかかわらず、一次合格者を1000名以上出してしまったことがあります。
一体何人の人が職にありつけたのでしょうか?
それは・・・うん・・・。
倍率の差はありますが他の公務員試験でも同じことが言えますね。公務員試験と言えども最終的には面接ゲーというわけですね。
まろんさんは期間訪問、どうだったの?
私は国立大学2つと研究機関1つに伺いました。
自分の出身大学を受けたのですがあっさり一次面接で落とされてしまいました。
他の機関は面接前に志望度の高いところから内定をもらったので辞退しました。
こんな形で、国立大学法人は辞退されることが非常に多いので案外受けたら受かった、なんてことも多々あるみたいです。
既卒が圧倒的に有利な国立大学法人
国立大学法人は既卒が圧倒的に有利な試験区分です。その理由をお教えします!
理由1.採用人数が少なく、補充要因という側面が強い
1つ目の理由はこれです。国立大学法人の特徴として、とにかく採用人数が少ないことが挙げられます。
国立大学法人は使える予算も少なく、また、少子化の影響で事業拡大をすることはありません。
そのため職員数は現状維持、ないし微減となり、新卒を大量に雇い入れるという発想にはなりません。
そんなわけで国立大学法人としては既存職員数の維持を第一に据え、既存職員が辞めた穴を埋めるために採用するという形になります。
ですから新卒を雇って一から育てるというよりは社会人経験がある人で空いた穴をふさぐという発想になるわけです。
理由2.国立大学法人は10月採用の枠が多い
国立大学法人は既存職員の穴埋め要員を欲しがっています。
正規職員の数はそこまで多くなく一般的な地方国立大だと100名にも満たないこともあります。(残りは非常勤)
そんな少数精鋭(?)な職場環境を反映してか、欠員が出た場合はすぐにでも穴を埋めたくなるのが人情というものです。
そんなわけで多くの国立大学法人は10月から働いてくれる職員を募集することが多くなるのです。
新卒は普通4月から働くことが当たり前ですから、なかなか雇うことができないです。
こうした理由から10月から働くことのできる既卒の人の方が有利になります。
国立大学法人って激務なの?
大学法人の仕事ってホワイトなイメージがあるけど実際のところどうなの?
業務量自体はその大学の規模や環境、抱えている問題などによって影響されます。
例えば大学病院を抱える総合大学の場合、事務職員も大学病院で勤務することがありますがハッキリ言って激務です。
最近だと補助金の関係で非正規職員すら人数が抑制されつつあるから、そのしわ寄せは既存の正規職員にいくことになってるね。
そんな~、国立大学法人はホワイトって聞いたのに~
それは大学によりけりだ。今は大学病院を抱えるような総合大学だと旧帝大ですら薄給激務だったりするよ。
一方で教育大や工科大みたいな単科大学はまだまだホワイトみたいだね。
それなら単科大に行けばいいのね!
でも、今後合併する可能性もあるし正直どうなるかわからないよ。
名古屋大と岐阜大が提携する話はちょっとしたニュースにもなったね。
そ、そうか~・・・
それでもみなし公務員だし、十分安定してるとは思うよ。
いずれにせよ、自分が入るところはきちんと調べておこうね。
まとめ
国立大学法人は既卒の人が非常に有利な試験区分です。
みなし公務員ですのでクビになることもそうそうないですし、給料も安定しています。
ですから次の仕事が見つからないという人におすすめできます!
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