ここまで公式問題集を使った勉強法について記事を書いてきた。
たしかに公式問題集はTOEIC対策に非常に有効な教材ではあるが英語の基礎もできていないのに使っても効果が薄いばかりか難しすぎて挫折してしまう可能性もある。
そこで今回はTOEICをはじめて受けるという人や英語が苦手な人、TOEIC初心者の人、まだ公式問題集を使うには早い人向けに実力を養成し、確実に600点を突破するにはどうするばいいのかを解説していく。
この記事の対象者
- 英検3級程度
- TOEIC400点前後
- この基準より上の人でもいきなり公式問題集を使っていくには不安のある人
ただしTOEICで600点以上を確実にとれる実力のある人なら公式問題集を優先して学習していくことを勧める。
逆に中学文法も危うい、もう何年も英語に触ってなくて中学高校の教科書レベルの基礎単語すら曖昧だというのならもう少しレベルを落とした教材をやる必要があるだろう。
たとえばスタディサプリTOEICなどがおすすめ。
この勉強法の最終目標
最終的には公式問題集を使った演習につなげていきたい。
とはいえ今回紹介する教材をしっかりとこなしてもらえればTOEIC700~800点はとれるはずだ。
今TOEICが500点くらいで700点くらいとれれば御の字だという人はこれだけで十分かもしれない。
使用教材
・金のフレーズ
・文法特急
・文法特急2
もしくは究極のゼミpart5&6
・究極のゼミpart2&1
・究極のゼミpart3&4
・究極のゼミpart7
学習計画
ここからはなにをやっていけばいいのかをおおまかなアウトラインとして示した。
もちろん各自の学習状況に合わせて適宜カスタマイズ、取捨選択をしていってもらっても構わない。
大事なのは勉強法ではなく、どうすればスコアが上がるかを絶えず考えて最善をつくすこと。
1か月目
金のフレーズでTOEIC頻出の単語をひたすら暗記。
一般的にTOEICで600点以下の人だと、まず第一に語彙力が足りていない。
もちろん文法力もリスニング力も読解力も足りてはいない。
だが文法の勉強をしようにもリスニングをしようにも長文を読んでいこうにも単語が分からなければその都度立ち止まって確認しなければならなくて非常に効率が悪い。
これでは単語が気になって文法などの勉強に集中できない。
そこで1か月目は単語の暗記に集中する。
金のフレーズを使った「金フレ勉強法」のやり方はこちら
2か月目
1か月目ではTOEICに必須の単語をある程度暗記することができた。
2か月目からはようやく文法とリスニングの学習を開始していく。
学習するpartはpart1,2,5,6だ。
どれも短期間の学習で得点化しやすいおすすめのpartだ。
文法
part5,6対策として文法を学習していく。
教材は文法特急と文法特急2、または究極のゼミpart5&6のいずれか選択。
どちらがいいかは完全に好みだ。
実際に本屋さんで見比べたり、amazonのレビューなどを参考に決めてもらって構わない。
文法特急は有名な特急シリーズの一つ。文庫サイズで持ち運びが便利。
その割に解説が丁寧で使いやすい。
続編の文法特急2も使ってあげよう。
究極のゼミpart5&6もこれまたTOEIC教材界では有名な究極のゼミシリーズの一つだ。
これは会話形式で問題の解き方が解説してあって初心者でもとっつきやすい。
TOEIC初心者が一番とっつきやすいのがこれらのpartだろう。
そこまで長くない短文の空欄補充だからだ。
それにテクニックが要求されるので初心者でも勉強すればすぐにのびるpartでもある。
だからここで自信をつけてほかのpartの勉強の励みにしてもらいたい。
加えて文法を先に学習しておくことでリスニング、長文読解の理解も深まる。
リスニング
使用する教材は究極のゼミpart2&1だ。
他の究極のゼミシリーズと同様、この教材も先生と生徒との会話形式で説明がなされておりとても分かりやすい。
part2とpart1を解くためのコツが詰まっている。
この二つのpartはTOEICのなかでもとりわけテクニックが重視される。
この教材はそんなテクニックを惜しげもなく披露してくれている。
また、そこまで分厚くもないので他の教材にありがちな、重量感で気圧されることもないだろう(笑)
薄くて復習もしやすいので定着もしやすいだろう。
個人的には究極のゼミシリーズの中で一番のおススメ!
3か月目
適切にこなすことができれば2か月目までで多くの人は600点くらいはとれる実力がつく。
600点くらいでいいやという人はここの段階をカットして公式問題集を1冊くらい解いてもらえれば十分確保できる。
もっとスコアが欲しいという人は最大の関門であるpart3,4,7を攻略しなければならない。
とはいえTOEIC初心者にはなかなか難しいだろう。
そこでこれらのpartを解くコツをつかむために
この2冊を使っていく。
これら教材には苦手な人が多いpart3,4,7を攻略するtipsがふんだんに盛り込まれている。
2冊とも一見分厚そうに見えるが解説が多いので見た目ほど分量が多いわけではない。
内容は究極のゼミシリーズらしく会話調で読者目線に立っていてわかりやすい。
また、これらのpartは新形式で傾向が変更されている問題も含まれている。
今のところ新形式に新しく追加された傾向も踏まえて書かれている教材は少ない。
そのなかで自信をもってお勧めできるのがこの2冊だ。
音読もしよう!
みなさんは音読をしているだろうか?
面倒なのでやっていません、なんて言わないで(汗)。
なんで音読するの?
音読なんてめんどくさいという人は多い。
というより私もそんな一人(苦笑)
そこで音読のメリットについて述べていきたい。
英語を英語のまま理解するトレーニングになる
音読の最大のメリットはこれかと。
黙読でもいいかと思いますが、黙読するとどうしても返り読みしちゃう(私だけ?)
大学入試の和訳問題や論文を読むときは返り読みしようがなんだろうが別に構わないと思う。
とにかく文章構造をしっかりと把握して意味さえ正確にとれればいいんですから。処理速度はどちらかというと二の次。
でも、TOEICに関してはそうは言ってられない。
リーディングでは短時間で膨大な問題文を読み切らないといけない。
そこでいちいち返り読みなんてしていたらTOEIC名物(?)の塗り絵をする羽目になる。
リスニングに関してもそう。
聞き取った英文をそのまま理解しないと、セリフなんてそのままさらさら流れていってしまう。
英文のリズムを体で覚えることができる
これはリスニングにかかわってくること。
リスニングは自分で発音できるものしか聞き取ることはできないとはよく言ったもので、その通り。
試しにほとんど聞き取れないスクリプトを用意してみましょう。
それを読んで意味を把握してからオーバーラッピングでもしてみてもらいたい。
それからもう一度聞いてみると最初からは想像もつかないくらい聞き取れるようになっていると思う。
音読すると記憶に残りやすくなる
音読すると脳が活性化すると聞いたことがあるだろう。
その効果として、記憶に残りやすくなる効果がある。
結果として英語を理解することが早くなる
音読をするようになることで徐々にではありますが英文を読んだり、聞いたりする際に、内容を理解することが早くなる。
それは返り読みせずに読んだり、聞いたりすることなく内容を把握できるようになるためだったり、単語や表現を暗記しやすくなって、英語に対する反応速度、処理速度が向上するためだ。
品詞分解もすべし
TOEICの勉強法を紹介している記事や本の中で品詞分解について扱っているものを見たことはあまりない。
そこに載っている勉強法というのは音読だったり、シャドーイングだったり。
たしかにそれらはTOEICどころか英語の勉強に有益なものばかり。
とはいえ、その前提には品詞分解があるはず。
なにかと軽視されがちだけど、特に初心者、入門者にこそ必要なものだったりする。
なぜ品詞分解について詳しく解説することがないのだろうか。
品詞分解こそが英語学習の基本じゃないの?
繰り返すけど、音読やシャドーイングといった英語力を高めるトレーニングは当然大事だし有益なものといえる。
でもそれらに使うテキストを正確に理解していてはじめて真価を発揮する。
たとえばなんの意味もわかっていないテキストをやみくもに音読したとしても、それはただ文章に書かれた文字を発声しているだけにすぎない。
シャドーイングだってただ聞こえた音をなぞって発音するだけなら思ったほど成果が上がらなかったり。
それを避けるためにもまずはテキストやスクリプトに書かれた内容を理解しないといけない。
で、それをするにはどうすればいいのか、っていうとまずは一文一文の意味を理解していく必要がある。
そしてその一文一文の意味を理解していくのに必要なのが品詞分解だよね、ってこと。
もちろん反論もあるでしょう。
英語は左から右へすらすら読んでいくべきで、わざわざ英語を日本語に訳すような英文解釈みたいな真似事をするべきでない、みたいな。
たしかにネイティブはそんなことしない。
でも純じゃぱ、ましてや英語初心者がいきなり英文テキストをスラスラ読めるかっていうとそれこそ無理な話。
それに、ネイティブみたいに英語を日本語に訳さないでスラスラ読んだり聞いたりできるようにするトレーニングこそ、音読だったり、シャドーイングだったりする。
そして、品詞分解っていうのはそれをするための下準備みたいなもの。
ここを押さえていないと無駄に発声するだけに(笑)
特に初心者・入門者こそ品詞分解は重要
TOEIC中級者、上級者になるとわざわざ品詞分解なんてしなくても文構造を読み取ってサクサクと内容を読み取っていく。
だからそういったレベルの人はどんどん音読、シャドーイングといったトレーニングをしていくべき。
さて、問題は文構造?なにそれ、おいしいの?、っていう初心者、入門者の人たち。
初心者や入門者レベルだとまともに英文を読んでいくだけの力が備わっていないことが多い。
そんな状態で中・上級者の真似をして音読とかをしても時間を浪費するだけで終わる。
というわけでこのレベルの人たちはまず、ちゃんと品詞分解ができるようにしましょう。
その前に品詞分解ってなに?
品詞分解っていうのは英文を一つ一つの要素に分解してその役割を明らかにしていくこと。
簡単にいうとこれは名詞、これは形容詞、これは副詞っていうように品詞を特定していって、その語がその一文でどういった役割を担っているのかを読み取っていくこと。
例を出すと、This is a pen. っていう一文があったとする。
この時Thisは代名詞。isはbe動詞、aは冠詞、penは名詞。
これくらい簡単だわ!って思うかもしれない。
そりゃそうだ。
じゃあ、この文がもっと複雑な文になったらどうするんだろうか。
It is the pen I often use that this is because it is much easier to write than any others.
みたいな文があったとしたらどう考えるのか。
It is ~that節だけでも何通りかの役割はあるけどここでは強調構文だろうね。
だからthis is がthat の後ろにある。じゃあI often はどうだろう。
これも関係代名詞that の省略と考えてみるのが自然だろうね。
そして残りはbecause 節だね。
こんな感じでてきぱきと品詞や役割を処理していくのが品詞分解なんだ。
今回出した例は使われている単語はすべて中学生で習った単語ばかりだったから、わざわざ品詞分解をしなくても意味をとるだけならできたかもしれないね。
でもTOEIC本番ではさすがにもっと難しい単語がでてくる。
それに一つの単語でいろいろな用法がでてくるときもある。
例えばさっきから出ているthat なんて、代名詞としても使われるし、関係代名詞としても使われる。
それに強調構文でも使われたり、接続詞としても使われたりする。
そういった単語の役割を取り違えると途端に文意が分からなくなる。
しかも悲しいことに、これくらいの文は簡単簡単、って言われるTOEICでも平気で出てきたりする。
気になる人は一度公式問題集を解いてみるといい。
このせいでTOEIC初心者や入門者は公式問題集を必要以上に難しく感じてしまう
それをわかるようにするために品詞分解が必要なんだ。
初心者、入門者の人はこのことを忘れないでいてほしい。
まとめ
TOEIC初心者がいきなり公式問題集に取り組むのは難しいかもしれない。
そしてそんな初心者ほどTOEIC対策って一体何をやればいいのかわからないと途方に暮れてしまうことが多い。
そこで今回はTOEICのスコアを上げるために何をやればいいのかのアウトラインを示してみた。
これを参考にみなさんも学習計画を立ててみてほしい。
TOEIC対策について気になる方はこちら
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